医療保険に先進医療特約は必要?保障内容やメリットで分析

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医療保険に先進医療特約はつけるべきなのか?

現在医療保険に加入している、もしくは医療保険への加入を検討している方の多くは、先進医療特約について一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

先進医療に関する保障は、ほとんどの保険商品で『特約』として付加できるようになっていますが、保険会社のおすすめするベーシックなコースの中に当然のように付加されていたり、窓口の担当者に積極的に勧められたりするケースが多く、よく分からないままなんとなく付加しているという話もよく聞きます。

しかし、特約とは主契約の他に保険料を追加して付加するものですので、「もったいない」「必要ない」という意見も時折聞くことがあります。

この記事では、先進医療特約を付加すべきか迷っている方にぜひ知っておいていただきたい、以下の内容について解説していきます。

  • 先進医療とはどういったものなのか?
  • 先進医療特約、必要派と不要派それぞれの意見とは?
  • 先進医療特約の保険料と保障内容は?
  • 結局、先進医療特約はつけるべき?

先進医療特約についてきちんと知って正しい選択ができるよう、ぜひ最後までお読みください。

まずは先進医療について解説

まずは、先進医療とはどういったものを指すのかについてご説明しましょう。

先進医療とは、厚生労働省の「先進医療の概要」によると

厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養

と定義されています。やや堅苦しい表現となっていますが、簡単に言うと「厚生労働省が認める最先端の医療技術で、今後保険診療の対象とするか検討中のもの」です。平成30111日現在、92種類の医療技術が先進医療と認定されています。

この先進医療には治療方法だけでなく検査・診断方法も認定されており、対象となる疾患も様々ですが、92種類のうち半数ほどががんに関する治療・検査・診断法となっています。

先進医療は、今後保険診療の対象とするか検討中のものですので、現在は保険診療の対象ではありません。つまり、この先進医療にかかる費用は全額自己負担となります。費用は医療内容によりさまざまですが、中には数百万円単位になるものもあり、そういった保険のきかない費用に備えるのが、先進医療特約となります。

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医療保険の先進医療特約について、必要派と不要派の意見を比較!

それでは、先進医療特約は必要という人と不要という人それぞれの主張をみてみましょう。

先進医療特約

必要派の主張

先進医療特約

不要派の主張

・いざという時に備えるための保険だから

・そもそも先進医療を受ける可能性は低い

・数百万円の治療費なんて払えない

・先進医療のすべてが高額なわけではない

・必要になるのは治療の費用だけではない

・がん保険の診断一時金で対応できる

・自己負担が高額になるのは避けたい

・高額療養費制度があるから大丈夫(注)

(注)先進医療で自己負担金が高額となっても高額療養費制度でまかなえるというのは間違った認識です。高額療養費制度の対象となるのは保険診療の範囲内のみなので、自己負担である先進医療は対象となりません。

このように、先進医療特約の必要性については賛否両論がありますが、全体的にみると先進医療特約を付けておいた方がお得だという意見の方が多い印象です。

それぞれの意見について、もう少し詳しくご説明しましょう。

先進医療特約、必要派の意見

先進医療特約は、100円程度の保険料であることが一般的です。一方で、その保証額は上限2000万円となっている保険会社が多く、少ない保険料で大きな保障を得られるコストパフォーマンスの良い特約と言われています。先進医療にかかる実質の費用だけでなく追加で数万~数十万円程度の一時金が出る保険商品もあるため、通院や宿泊の費用まで保障できると大変好評を得ています。

先進医療特約、不要派の意見

以下で詳しくご説明しますが、先進医療は受けられる医療機関が指定されており、対象となる疾患なども細かく決まっています。そのため、実際に先進医療を受ける機会はまだまだ少ないのが現状です。また、数百万円単位の高額となるものがある一方で、数千円~数万円など保険がきかなくてもそれほどの負担にはならない医療技術もあります。そのため、先進医療特約の必要性には懐疑的な声も聞かれます。

医療保険の先進医療特約について詳しく解説!

ここまでは先進医療の定義と先進医療特約の必要派・不要派それぞれの意見についてみてきました。ここからは、先進医療特約の保障内容について詳しくみていきましょう。

先進医療特約はどんな治療が対象なのか

20181月に厚生労働省から発表された最新の統計によると、20167月~20176月に先進医療を受けた人の総数は32千人ほどで、先進医療にかかった医療費は280億円程度(うち約70万円は保険診療分)でした。

先進医療の実施数の多い順に上位10位までの医療技術をご紹介します。

先進医療技術名

対象となる疾患の例

実施件数(件)

1件あたりの費用(円)

実施医療機関数

1

多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術

白内障

14,433

581,224

555

2

前眼部三次元画像解析

緑内障など

11,595

3,484

101

3

陽子線治療

脳・肺・消化器・乳腺等の腫瘍

2,319

2,765,086

12

4

重粒子線治療

肺・消化管・泌尿器・婦人科等の腫瘍

1,558

3,149,172

5

5

EBウイルス感染症迅速診断(リアルタイムPCR法)

EBウイルス感染症

255

14,607

6

6

歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法

歯周炎による重度垂直性骨欠損

240

65,870

15

7

腹腔鏡下広汎子宮全摘術

子宮頸がん

185

719,811

37

8

高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術

子宮腺筋症

180

307,008

2

9

切除支援のための気管支鏡下肺マーキング法(微小肺病変)

肺悪性腫瘍が疑われる微小肺病変

154

17,113

17

10

抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査

悪性脳腫瘍

147

35,382

10

厚生労働省「平成29年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」「先進医療の各技術の概要」をもとに独自編集

先進医療の約半数ほどが『がん』に関する治療や検査・診断法であることは先ほど述べた通りですが、実施件数の多い10例も白内障・緑内障を除いては『がん』関連の項目が中心となっています。さらに、これらにかかる医療費を見ると重粒子線治療315万円、陽子線治療277万円、腹腔鏡下広汎子宮全摘術72万円と、『がん』関連の項目で高額となっている一方、緑内障などに用いられる診断法である前眼部三次元画像解析では3500など、費用の少ないものもあることが分かります。

2014年の厚生労働省の統計によると、全国のがん患者数は163万人(全悪性新生物の患者数合計)であり、陽子線治療の実施数が2300件ほど、重粒子線治療1600件ほどであることと比較すると、先進医療を受ける人はまだまだ少ないと言えるのは確かです。これには、先述した通り先進医療の実施できる医療機関が限られていることも影響しており、実際に上記の表でも陽子線治療や重粒子線治療の実施医療施設は数件ずつととても少ない数になっています。

この、「先進医療には費用の少ないものもある」「先進医療を受ける人はまだまだ少ない」という点が、先進医療特約不要派の主張理由の多くを占めています。先進医療特約を付けていても、利用する可能性はとても低いという主張ですね。

しかし、確かに可能性は低いものの0ではありません。そして、先進医療として認められている医療技術はいずれも最先端のものであり、体への負担が少なく治療効果の高いものなど、現在の医療技術の先を行く公的に認められた技術です。こういったよりよい医療技術を受ける機会がもしも巡ってきたときに、お金の心配をせずに医療を受けることができるという点が、先進医療特約を付加する最大のメリットです。

では、この先進医療特約にかかる保険料はどのくらいなのでしょうか。ここからは先進医療特約の保険料と保障額についてご説明します。

先進医療特約の一般的な保険料や保障額について

大手保険会社の取り扱う主要医療保険商品について、先進医療特約の保険料と保障内容をみてみましょう。

契約年齢30歳男性の場合、各社公式サイトの保険料シミュレーター等から試算

保険料

保障額

保険期間

オリックス生命「新CURE

基本保障プランに付帯

技術料と同額(通算2000万円が上限)+10%150万円が限度)

終身

アクサダイレクト生命「終身医療」

120

技術料と同額(通算2000万円が上限)+10万円

終身

チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムDX

132

技術料と同額(通算2000万円が上限)+15万円程度

終身

ライフネット生命「新じぶんへの保険」

おすすめコースに付帯

技術料と同額(通算2000万円が上限)

終身

メットライフ生命「Flexi S

107

技術料と同額(通算2000万円が上限)+5万円

10年更新

楽天生命「スーパー医療保険」

基本プランに付帯

技術料と同額(通算2000万円が上限)

10年更新

先進医療特約が基本プランに入っている保険商品でも、特約部分の保険料は100円前後であることがほとんどです。

このように、どの保険商品でも先進医療特約は基本的なプランにすでに入っているか、もしくは月の特約保険料が100円程度であり、非常に加入しやすい保障であることが分かります。また、保障額はすべて先進医療にかかる技術料と同額かそれ以上で、いずれも通算2000万円となっていますので、前述の陽子線治療や重粒子線治療の費用も十分にまかなえることになります。

月の保険料が100円とすると、1年で支払う保険料は1200円、10年で12千円、30年で36千円となります。重粒子線治療の費用315万円を30年で貯金すると考えれば1ヶ月あたり8700ほど必要ですから、先進医療特約の保険料がどれだけ安いかが分かりますね。

なお、保険期間については終身の商品と10年もしくは5年更新の商品があり、有期更新タイプの場合は更新の時に保険料が上がる可能性がありますので注意が必要です。

まとめ:先進医療特約はつけるべき

ここまで、先進医療の概要と先進医療特約を必要とする人・不要とする人それぞれの意見、そして先進医療特約の保険料と保障内容についてみてきました。

先進医療を受ける可能性は低く、かかる費用も高額にはならないこともあるのは事実ですが、いざという時に備えるのが保険です。月に100円程度の保険料で、将来的に数百万円の医療費を支払わなければならないリスクをカバーできるとしたら、やはりこれはお得と言えるでしょう。

そのため、筆者は先進医療特約はつけておくべきと考えています。実際、医療保険に加入する人の約98%が先進医療特約を付加しているというデータもあります。先進医療特約は保険加入時にのみ付加できると定めている保険商品も多くありますので、医療保険加入時にはぜひ先進医療特約も一緒につけておくことをお勧めします。(すでに先進医療特約をつけずに医療保険に加入されている方でも、後から追加できる場合もありますので保険会社に問い合わせてみると良いでしょう。)

小さな負担で大きな安心を手に入れられる先進医療特約、もちろん必要となるような病気にならないことが一番ですが、いざという時のためにあなたの健康のお守りとして、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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